ここ10年位でエアコンの節電方法として多くの常識が浸透してきた。
しかしその中には必ずしも万人向けでないもの、天気や状況によってはむしろ電気代が上がってしまうもの、また快適性と省エネがごちゃごちゃに説明されているものも含まれており、正に玉石混合状態。
ここではメジャーな節電方法を技術的に考察し直してみました。
・誰の家でも節電になるのはどういう使い方なのか
・各節電方法はどんな時ならば、より確実に節電につながるのか
尚、あくまでも考察であり検証ではありません。実際の電気代を検証している記事はたくさんあり、その結果には敬意表した上であくまでも今回は考察です。
各記事で行われている電気代の検証はあくまでも検証した方、その方が持っている
・特定の機種のエアコン
・その方の家の住宅の間取りと断熱性能
・検証した日の気象条件(温度、湿度、日当たり等)
を限定したものであり、必ずしもどこでも、いつでも、誰にでも当てはまるものではない。
今回はその各検証の結果をより一般的にどこでも、いつでも、誰にでも当てはめられるのかを技術的にに考察しました。
確実に節電になる方法
冷房設定温度を上げる
これは流石に疑う余地がありません。
但し、重要なのはエアコンの設定温度ではなく実際の部屋の温度です。
具体的に例で言うと、以下のような場合は設定温度を上げても節電にはなりません。
(しかし余計に電気代掛かる事も特にないので、電気代が下がらないということ以外は特に問題はありません。)
エアコンの冷房って技術的には
▶室外の空気が涼しい程
▶室内の空気が暖かい程
省エネになるんです。詳細は専門の人に任せるとしてそういう技術なんです。
だからよく言う
「設定温度を上げると節電」
というのは正しくは設定温度ではなく
「部屋の温度を上げると節電」
なんです。いやいや「設定温度」と「部屋の温度」って同じじゃんと思われている方も多いかもしれませんが違うんです。
エアコンて例えば18℃とか20℃とかすごく低い温度までリモコンで設定温度を変えることが出来ます。だけど実際に夏の暑い昼間に部屋の温度を下げれるのはせいぜい24-25℃位が普通は限界です。
勿論、夜や初夏、秋の涼しい時期や、すごく大きい部屋用のエアコンを小さい部屋に入れていたりする場合は室温はもっと下がります(それでも18℃まで下げるのは中々しんどいと思いますが)。
そんなの詐欺じゃんと言われる方もおられるかもしれませんが、そういうもんなんです。
上の例の場合、
●例年:22℃に設定してる(実際の室温25℃)
●今年:電気代高いから24℃に設定温度上げよう(実際の室温25℃)
だから暑がりの人で、夏はいつも22℃設定だというような人は上記の例になっている可能性がありますので注意が必要です。
実際の部屋の温度を測っているとわかりやすいですね。
という事で……
「冷房の設定温度を上げる」
のは確かに節電だけど、正しくは
「部屋の室温を実際に上げる」
です。確実に部屋の温度が上がっていることを確認しましょう。
風を強くする
「風量は弱くするよりも強くした方が節電」
更には
「風量を自動に設定するとエアコン(メーカー)が最も効率的な風量を勝手に設定してくれる」
というのが常識として大分定着している気がします。
ここで落とし穴はこの比較は大概
「弱」vs「自動」
で行われるんです。
しかし最初に言っています、風量は強い方が節電なんです。
そして大概のメーカーのエアコンの風量自動機能はエアコンつけた直後は風量を大きくするのですが、室温が設定温度に近づいてくると風量を小さくするんです。何故ならば風量が大きいとうるさいから。
「風量自動」って省エネだけでなく快適も考慮されてる事が多いんです。だから厳密には風量自動って「快適省エネ風量自動」的な機能なので、必ずしも省エネに振り切ってないんです。
だから今年の夏みたいに節電に振り切りたい時は風量自動よりも風量は強固定です。
ということで……
●節電重視
➡風量設定は強固定
●快適性(静かさ)もある程度重視
➡風量設定は自動
ちなみに……
室外機の周りを涼しくする
これはシンプルです。
とにかく室外機の周りを涼しくすること。
理由はまたまたこいつです。本稿3度目の登場になりますが…
エアコンの冷房は技術的には
▶室外の空気が涼しい程
▶室内の空気が暖かい程
省エネになる
今度は室外機の方ですね。
そしてこれはどこの記事見ても今や常識で
●日除けはする
●でも風はさえぎらない
なので
●室外機を完全に覆ってしまう箱のような形のもので日除けするのは駄目
●すだれなような物も出来れば良くない。とにかく風通りはかなり良く。
条件によっては節電になる方法|要注意_間違えると却って電気代アップ
ここからは正しく知ってやらないと却って電気代が増えてしまうので要注意です。
ここからが本稿の本題です。
サーキュレーター/扇風機を併用する
節電になる場合
●節電になる場合
直接であれ間接的であれサーキュレーター/扇風機の風に自分が当たる
➡風に当たってるから涼しく感じる
➡エアコンの設定温度を上げられる
結局、設定温度を上げれるかどうかがポイントです。
設定温度上げれるならば上で説明の通り節電になります。
節電にならない場合
●節電にならない場合1
サーキュレーター/扇風機を天井に向ける
➡部屋全体の温度ムラをなくす。
➡だから節電???
これは良く節電方法の一つとして出てきますが、温度ムラがなくなるだけでは節電になりません。
人によっては温度ムラがないことが快適になるというのはあると思います。
しかし…
「 温度ムラがない = 節電 」
というのは全く技術的には理由がありません。
また、
「部屋の天井付近が暑いとエアコンが部屋が暑いとご認識して、必要以上に部屋を冷やそうとして電気をどんどん使ってしまうのを防止できるから節電」
という説明をよく見ますが、これも可能性は非常に低いです。
最近のエアコンは〇〇センサといった色々なセンサ積んでるので部屋の温度は大分正確にわかりますし、またそもそもこれで部屋が冷えすぎるならば設定温度上げればいいんです。
その場合、結局設定温度上げれるんで節電になります。
そして何よりも困るのは、そもそも部屋の天井付近なんて冷やさなくていい所を、わざわざ冷やしてしまうため余計に電気を沢山使ってしまいます。
要するに必要以上に大きな部屋を部屋すのと同じにことになります。
従って、サーキュレーター/扇風機を天井に向けるのは却って電気代がアップしてしまいます。
またこれは、エアコンがよっぽど低い所に設置されていない限りは快適になるのかもよくわかりません。どなたか、このやり方が節電になる事が技術的にわかる方がおられましたら是非問い合わせフォームより教えてください。
●節電にならない場合2
サーキュレーター/扇風機で広い部屋のエアコンの風が届かない所に風を送る
➡エアコンの風が届かない遠くまで早く冷やす。
➡広い部屋をムラなく冷やす。
➡だから節電???
サーキュレータ/扇風機を横に吹く場合も天井に向けて吹く場合と一緒です。
必要以上に大きな部屋を部屋すのと同じにことになりますのでサーキュレーター/扇風機でエアコンの風が届かない所まで冷やすのは電気代がアップしてしまいます。
ただし、天井に向ける場合違い、より広い範囲が確かに快適になると思ます。
という事で
●サーキュレーター/扇風機を併用するだけでは節電ではない
●節電になるのは合わせて設定温度を下がられる時だけ
これは凄く誤解が多い気がします。正しく節電しましょう。
➡尚、天井や遠くに向けてサーキュレーター/扇風機を向ける場合も、最終的に風に当たる事で涼しく感じて設定温度を上がられるならば、勿論節電になります。
エアコンの風は上向きに吹く
これは節電にはなりません。
これもよく見かけますが間違いです。快適性は向上すると思いますが、節電になるという技術的な根拠はありません。理由は前述のサーキュレーター/扇風機を天井に向ける場合と同じですので省略します。
短時間の外出ならつけっぱしにする
作成中…
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