エアコン冷房の風向き設定。
省エネなのはななめ下吹きです。
昨今常識とされている以下の説明は論理的に考えてよくわかりません。
(説明できる方おられたらコメントでご教示お願いいたします)
温度ムラが出来るから省エネじゃない!
もうこれだけの説明は論外です。
室内の温度ムラがあるからというだけの説明は、エアコンの省エネ性との関係が全くわかりません。
温度ムラが出来るから「快適でない」の説明ならば一部の方にはそうだと思います。温度ムラが出来て天井付近が暑いまま。だからエアコンが部屋がまだ暑いと勘違い捨て冷やしすぎる
本来はこの通りだと思います。
但し、ならば設定温度をあげればいいだけです。
設定温度(正しくはエアコン室内機の周囲の温度を)上げれるので尚更、節電になります。
人がいないので、そもそも冷やさなくてもいい天井付近を何故わざわざ高い電気代かけて冷やすのか???です。
極論すると、吹き抜けリビングを想像してください。上の方冷やして何がうれしいんでしょうか?(勿論、吹き抜けの上の方が2階の共用スペースで冷やす必要がある場合は別です。)
もう少し詳しく
ポイントは何故、室内の温度ムラが悪いのか?
何故、人がいない天井付近も冷やさないといけないのか?
この2点に尽きます。
2点と書きましたがまあつながっている項目ですので結局は1点ですが。
無駄に冷やさない
よくある説は次の図1のような感じかと思います。
この場合、ななめ下吹きの方は、ここからエアコンがガンガン冷やしにいくことになるので最終的には次の図2のように人間がいる床付近はかなり寒くなってしまう。(温度の各数値はイメージです。)
だから省エネでない、という事かと思います。
要するにななめ下吹きの場合は部屋全体を冷やしてしまうから省エネではない。
ということは上の図1の状態を維持できればななめ下吹きの方が省エネなんです(下の図3)。
何故なら部屋全体を冷やすどころか、上の方は暑いままで部屋の下の方7割位だけを冷やせばいいので。
しかも人間がいる部屋の下の方は水平吹きの場合と同じ温度になっているので快適性はほぼ一緒。
設定温度もあげれる
では、何故天井付近が暑いままの状態を維持できないのか…??
はい、設定温度が27℃だからです。
冷えすぎるならば設定温度上げてやればいいんです。
この図では分かり易くするために
- 水平吹き _設定温度27℃
- ななめ下吹き_設定温度27℃
としていますが実際には3℃はやり過ぎだと思います。
ななめ下吹きにした上で、実際に自分が設定している水平吹きでの設定温度から1℃ずつ(機種によっては0.5℃ずつ)上げてみて下さい。
ダブル節電
ということでななめ下吹きは水平吹きと比べると
- 必要な部分(部屋の下の方7割位)だけ冷やせばいい
- 設定温度を上げれる(天井付近が暑くても床付近は涼しい)
ダブルで省エネになります。
また2番の設定温度をあげるというよくいわれる省エネ設定で重要なのは、設定温度自体ではなくエアコン室内機周囲の空気の温度を本当にあげる事です(詳細はこちら)ので、この場合間違いなくその状態になっています。
更に設定温度を上げるという点に注目すると、ななめ下吹きの場合は設定温度を上げても快適性はかわらない(元々は↑の図2の様に寒くなりすぎていたので)という見方もできます。
水平吹きの場合は、今が快適温度だとするとそこからただただ暑くなるだけです。
これは省エネ・節電ではなく我慢と言います。
ロフトや吹き抜けをイメージすると分かり易い?
私が上記のような考えに至ったのは自分の家での体験からです。
私の自宅リビング(リビングは2階にあります)の一部にはロフトがついています。
その関係上、リビングの天井は最高部では3Mを超えています。
そしてロフトまで冷やそうとすると、必然的にエアコンオン風向きは水平吹きになります。
しかし真夏になると、ロフト部に風向を向けるとまあ部屋全体の冷えが悪いんです。
即ちこれがまさに普段は冷やす必要のない天井付近(エアコン室内機の周囲)を冷やそうとしている状態で、エアコンがフルパワーで運転しているであろう状態です。
ちょっと今回の事例とはダイレクトには異なますが、無駄に広い部屋を冷やそうとするとエアコンがガンガン運転しっぱなしになり節電でないという着想です。
ここから冷やす部屋の広さ(面積ではなく体積)、風向きをどうするかという考えに至りました。
ロフトではなく吹き抜けリビングが冷えない、暖まらないという観点で調べると色々な事例が出てきますのでそちらの方が分かり易いかもしれません。
まあ、ロフトにせよ吹き抜けにせよちょっと極端な事例かもしれませんが、風向きを水平吹きにするという事は結局、冷やす部屋の体積を広くしている事と変わりませんので電気代が高くなるのは自明かと思います。
エアコンを選ぶ時は部屋の広さでモデルを選ぶのが一般的ですのでどうしても、部屋の面積で考えてしまいがちですが、普通に考えれば部屋の空気を冷やすのですから、部屋の体積で考えるのが道理にかなっているかと思います。
メーカーは何故こんな説明をしてきたのか
正確な所は勿論わかりません。
エアコンメーカの方で分かる方いればコメントお願いいたします。
個人的な推察としては2つの理由があるかと思っています。
センサー技術搭載による差別化競争による影響
20年位前のエアコン(2000年~2010年位)は、現在と比べるとやれ〇〇センサーだ〇〇カメラだといった技術が搭載されていませんでした。
しかし2010年代位からでしょうか?
やれ〇〇センサー・ナビと言い出したあたりから、なんかどうでもいい機能がばっこしてきた感じがします。
そしてこのセンサー争いの中で、部屋全体を冷やすんだ(温めるんだ)という機能を売りにするメーカーと、人の近くだけを冷やすんだ(温めるんだ)という機能を売りにするメーカと快適?省エネ?どっち?なんだかよくわからない状態になった気がしています。
この影響でメーカー自身も何を言っているのかわからない(本当のことは今更言えない)状態になっているのではないでしょうか?
今でも人の近くだけや、日のあたる所だけをセンサーで狙って冷やすから省エネなんと謡っているエアコンもたくさんありますよね?
なのに、なぜかこの説明と水平吹きの説明が分けて行われる…
住宅の高密高断熱化による影響
もうひとつの原因ががいわゆる住宅性能のアップ、高気密高断熱化です。
私も自宅を一条工務店で2009年頃に建てましたが、その際に色々と家全体を冷やす(温める)メリットとデメリットについて勉強しました。
要するに高気密高断熱の家では、あまり大きなエアコンの能力が必要ないので、
- 床から天井まで
- 廊下から玄関・トイレ・風呂まで
家の内部は全部エアコン(と冬は床暖房)きかせてしまえと…
その方が人間も快適だし、室内各所での結露も防げる(結露対策は基礎、外壁と屋根のみに集中)から良いと…
この考え方が曲解されて、とにかくエアコン冷房は水平吹きにして部屋全体を冷やすのが良いんだと…なったのではないでしょうか?
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